めちゃめちゃ、面白かった。本当に面白かった。
朝3時起きしたから仕事に影響するかなぁー、とおもったけど、終始、仕事が手に着きませんでした。
だって、会社で結構見た人が多くて休憩室に入り浸って、普段はサッカーのサの字もしらない
ミーハーなオヤジどもにサッカーの魅力を語ってやったりました。仕事の出来ない私が会社で
ヒーローになれる数少ないラッキーデーです。
普段は、サッカーに興味がなくたまたま代表戦見て調子に乗って批評する人間には、私のぬるい
ながらも知識でその批評をさらに批評してやります。(すいません、人間が小さいもんで)
しかし、そんな小さい人間も今日の試合に関していえば、ミーハーな人間と大差ないです。だって、
知識がどうのとかいう前にテレビの中で繰り広げられてるサッカーが私のしるサッカーでは、
理解が及ばないほど、凄すぎて・・・。
私のサッカー人生15年ぐらいです。たかがしれてます。
私はサッカーを語る時は、過去との比較。自分の目で見た試合を自分の中で評価し、プレイを解析し、
自分なりの答えを導き出します。(雑誌の知識の受け売りとかもあるけど、大抵は自分で答えを
出します)
ぬるいながらも15年の歳月で見てきた試合の中で、大会の価値、舞台の価値、クラブの歴史、
人気、チーム強さ・完成度・実績、なによりこれほどファンを魅了する技術を持ったタレントたち。
そんな最高のクラブ同士が掛け値なしに自分達のサッカーをぶつけ合う。
近年のサッカーで常套句のように言われる言葉、「相手のいい所を潰して、自分達のいいところ
を出す」。
誤解を恐れずに言わせてもらうと、この言葉は弱者が強者を相手にした考え方、もしくはうまく
噛み合えば100%の力を出せる戦い方よりも、常に安定した80%の力が出せる戦い方を選ぶ、
非積極策である、と思っています。(わが日本代表にもこの常套句は良く使われます)
残念ですが、私も不安定な100%をだして華麗なサッカーをしても、不安定な戦いをみせるのでは
安定した80%の戦い方を選択すると思う。
しかし、チャンピオンズリーグという大舞台に立った二つのクラブは、そんな戦い方をクラブの歴史が
サポーターが、選手たちの矜持が許さない!
私が知る15年のサッカー人生の中でこれだけの大舞台に立つ両チームは、どちらかがクラブ力・
歴史・タレント力などが劣っていることが多く、また各々が持つクラブのアイデンティティーの違いが
一般的な目から観ても閉塞した”つまらない試合”となることも多々、ありました。必ずしも閉塞した
試合がつまらない、とは思わないけど、サッカーの純粋に面白い試合はやはり、お互いの攻撃的な
アイデンティティーがぶつかる試合だと思う。しかし、大きな舞台であればあるほど、その試合の
価値が高ければ高いほど、勝利を得る最良の策が選択される。
しかし、今年のチャンピオンズリーグ決勝に出場したバルセロナ・マンチェスターユナイテッドは、
勝利を得る最良の策として、”自分達のサッカーをする”という奇跡に等しい選択をした。
これがどれほどの価値のある試合か・・・、この強者たちの矜持のぶつかりあいがどれほどの
ファンが待ち望んでいた試合か・・・・。サッカーファンのみならず、すべての人を魅了しうる
カードが実現したんだと、実感できる。
そして、試合は本当に歴史に残ると確信できる試合になっていた。
前半開始早々、前線からの積極的なプレスでGKのクリアミスを誘い、勢いに乗ったマンチェスター。
勢いに任せてチャーノ中心にゴール前でチャンスを作る。チャーノの強烈なFKをビクトル・バルデスが
リフレクト。こぼれ球を狙ってパク・チソンが飛び込むもDFのクリアに合う。
その後も序盤の主導権を握るマンチェスター。前半8分辺りまでを見れば、この試合を優位に支配
するのは戦前の予想通りマンチェスターと確信できた。
しかし、この流れを破壊したのは、バルセロナの”美しいサッカー”の心臓であるシャビとイニエスタ
の縦のパス交換。パス交換でドリブルコースを作ったイニエスタがスルスルとドリブルでマンUの
中央バイタルエリアに侵入する。
巧みなボールタッチでボランチの前を走りDFに飛び込ませない。そして、右サイドを走るエトーに
パス、エトーがPA内右で切り替えし、シュートコースを確保。そして、ビクトル・バルデスの脇を抜く
シュートで先制点を奪う。
やっぱり、エトーは空気を読みませんね。エトーって、こういう流れの関係のないところでゴールを
奪いますね。本当にKYストライカー。
そして、この先制点がバルセロナの伝説が始まる。
ここから80分、ゲームを”美しいサッカー”が支配する。
選手がボールを受けると、観てる側はいくつかのパスコースが見え、将棋じゃないけどパスの数手
先を想像することができる。でも、シャビ・イニエスタが絡むと数手先のパスがまったく想像できない。
本当にこの二人のパス交換もそうだけど、パスの展開がまったく読めない。気付けば、チャンスに
繋がっているって感じ。
しかも、この二人がボールを持つ限り、マンチェスターはボールを奪うことができない。
マンチェスターは、両サイドにチャーノとパク・チソンがウィングとして配置されていて、サイドバック
との距離が空いていた。そして、この間を繫ぐのがキャリックやギグスだったのだが、この二人に
ボールがわたるとバルセロナのプレスによりプレイエリアが限られてしまい、チャーノとチソンの
攻撃をフォローすることができない。チャーノとチソンは、独力でバルサ守備陣に挑むことが多く、
特にチソンはプジョルに完封されてしまい、サイドで機能不全に陥ってしまう。
前半は、バルセロナの圧倒的なポゼッションサッカーの前に成す術のないマンチェスター。
後半、前線でハードワークをこなせるテヴェスを投入したことにより、バルセロナのポゼッションに
あがらおうとするも、シャビ・イニエスタのパスワークに陰りが見えない。
マンチェスターは、その後、ベルバトフを入れるも戦前、不安視されていたバルセロナの守備ライン
がチャンスを作る。プジョルのオーバーラップでバイタルエリアに侵入、右サイドのエトーに
パスし、プジョルはゴール前に。エトーからクロスが入り、マンUは大きくクリアする。しかし、
守備陣と攻撃陣が間延びしていたマンUは、このセカンドボールを簡単にシャビが拾わせてしまう。
シャビは、バイタルエリアに侵入し、ラインを上げようとするマンU守備陣から逃れたメッシに
クロスを入れる。メッシは、ファンデルサールの動きの逆を突きヘディングで追加点を奪う。
ほぼ、この2点目でゲームは決まる。
あれほどの強さを誇っていたマンチェスターユナイテッドが徐々に試合への集中を失っていく。
最後の最後までバルセロナのポゼッションサッカーに明確な対処ができなかったマンチェスターは、
最初の数分以外、ゲームの流れを掴むことなく試合終了。
このゲーム、バルセロナの矜持である”美しいサッカーで勝つ”が、全世界に向けて衝撃を与えた
と思う。バルセロナだからできたサッカーと見るのが正しい見方だと思うけど、この勝利が現代
サッカーに影響を与えるかもしれない・・・。
それほど、バルセロナのサッカーは大会を通じて伝説と呼ばれるにふさわしい戦い方だった、
と思う。あのチェルシーですら、自分達のサッカーをすることが出来なかったのだから・・・。
(ただし、バルセロナを追い込んだのはそのチェルシーだった)
本当にこの試合は学ぶべきところ、解析すべきプレイが多い。正直、何回も見直さないとまともに
試合を評価することができないし、よくわからない・・・。
最後に、本当に幸せな2時間だった。1プレイ1プレイ、釘付けになったし考えさせられた。こんな
試合を次、見れる日はいつになるだろうか・・・。考えるだけで気が遠くなる・・・・。
とりあえず、ほとんど寝ていないので、ゆっくり寝たいと思います・・・・。
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