2008年6月2日(月) 日産スタジアム 日本代表 3-0 オマーン代表
久しぶりの爽快な勝利です。戦前に抱いていた危機感がスッと胸の中から消えていく、本当に久しぶりの
快勝です!
ボルトンでプレイするアル・ハブシやドゥールビーン(いつの間にか背番号が10になってた)がいるとはいえ、
FIFAランキング79位の格下が相手。しかし、バーレン戦のあまりの失望とチームとしての将来性のなさに
”もしも”をという危機感を感じていました。本当に敗戦または引き分けた場合、W杯南アフリカ大会への道
が絶望的になるのでは?と思うほど・・・。しかし、試合を観てみるとオマーンが予想外に試合開始からライン
を高く、高い位置でプレスを掛けてきてキリンカップで稚拙なパス回しを見せていた日本の弱点を突いて
きたように見えましたが、この日の日本はFW陣を含めた中盤での連動したパス回しはワンタッチ・
ツータッチ、フォローがなくても卓越したテクニックによるキープでオマーンを翻弄し、まさに岡田体制
のエース・ボンバー”中澤”の魂の篭ったヘディング、闘莉王のオーバーラップからのヘディングで落とし、
大久保が連動した動き出しでサイドネットに冷静に打ち抜くシュート、松井の高い位置からのボール奪取
からカットインし、飛び出してきた俊輔にパス、俊輔が切り返しから右足一閃。3ゴールを奪い色々な
意味で価値のある勝ち点3をGETしました。
戦前の危機感が私のテンションを挙げ、こんな時だからこそスタジアムに応援に行かなければ行け
ないという使命感を背負い、15時に日産スタジアムに出撃しました!!さすがに平日のこの時間は、
気合の入ったサポが多かったです。
キリンカップ後に各新聞の見出しに”やっぱり、俊輔別格!”という文字が多数を占めていましたが、
私もキリンカップ・パラグアイ戦を観戦しており、俊輔のプレイは素晴らしかったもののチーム自体が
低調で俊輔個人の活躍=チームの強化に繋がっているか不安になっていました。
が、そんな不安を払拭させてくれるようなこの日の俊輔のプレイ。この日、スタジアムに詰め掛けた多く
のサポが中村俊輔の敵DFのプレスに対し、長い足にボール奪われないように常にボールを足元でかつ、
相手の届かない場所に置くキープと低弾道のサイドチェンジと連動したパス&ゴー、自陣の深い位置
まで戻っての守備、ラインの高いオマーンの守備陣の裏を付くロングパス、そしてスタジアムのすべて
の人が総立ちで魅せられた右足でのゴール。チームの一部でありながら、輝きを失わない中村俊輔
という選手に誰もが魅せられていました。
松井のフランスでよく見るイーブンボール(相手の方が有利)に対し、敵DFが体を当てに来た所をぶつ
ける振りをしていなすことで敵DFのバランスを奪い、敵が寄せてきた逆の方向からボールを奪取し、
バイタルエリアにカットインし、連動してバイタルエリアに侵入してきた俊輔にパス。オマーンも要注意
人物と挙げている俊輔の左足を警戒し、左足のシュートコースを体を投げ出してきたのシュートフェイント
で釣り、右に空いたスペースにボールを出し、”右足”で守護神アル・ハブシの右手も触れらないシュート
をサイドネットに突き刺した。私は、この素晴らしいゴールに絶叫することしかできませんでした。
私が観戦した代表戦の中でも屈指のクォリティの高いゴールです。スタジアムが総立ちになる瞬間も
すごかった。誰もが目の前で起きたことを叫ぶ以外に表現方法を失っていました。(ちょっと、いいすぎ。)
以前、川渕キャプテンが「俊輔は、キャプテンになれるタイプじゃない」と発言しました。私も同感です。
ただ、今の俊輔はキャプテンにはなれなくても世界との戦いを知らない若いチームをプレイと経験で支える
立派なリーダーになったと思う。岡田体制になってから、山瀬の台頭や岡田監督のファンタジスタ不要論
(あくまで一人の選手中心チーム作りの否定と動きの少ない選手はいらない、と言う意味)が俊輔の代表
での存在意義が薄くなりつつある、と思っていましたがこの日の試合を見る限り、現時点で背番号10は
俊輔以外にふさわしい選手はいない、と実感させられました。
また、松井のプレイにもドリブラーの世界基準の違いを実感させられました。
松井のドリブルとJリーグ(日本人)のドリブルとの違い、それはボールまたは、ボールコントロールを
奪われた”前提”を考えているか、と感じました。
一般的に考えて、ドリブラーが”ボールを奪われる”と考える時点で志が低いと思われるかもしれませんが、
志ではなくて、前提を考えてドリブルをしているかどうかです。現代サッカーで1試合の中で何度も完璧に
敵DFをドリブル抜くことは難しいです。しかし、南米の選手に良く見られるドリブルによる”突破力”が日本
ではまったく、見れない理由として私は前提を持たないためその先のプレイビジョンないからだと、松井の
プレイから感じました。
)前提を考えていない
1対1→タックルなどでボールを奪われる→こぼれたボールを見る→次のプレイを考えて止まる→
敵DFが体勢を立て直すor別の敵DFに囲まれる→ドリブルを活かすスピードを得るスペースが消されている
)前提を考ている
1対1→タックルなどでボールを奪われる→こぼれるボール先を予想し、ボール確保に動く→敵DFが体勢
を整えるor敵DFに囲まれる前にボール確保→ドリブル再開
もちろん、上記のフローはあくまで多くあるプレイにひとつの例でしかなく、すべての場面に通用する
ものではないですが、それでも一つ一つのプレイにプレイビジョンを持っておくことがいい選手の条件
だとも思います。
この日の松井のプレイは、そういった場面が2回あり、ボールコントロールを失ってもドリブルで突破
できていました。
やはり、松井・俊輔は欧州組としてチームにプラスとなるプレイをしていたことは確かです。今までの岡田
体制下で一番、バイタルエリアを有効的に使い連動したプレイができていた、と思う。遠藤は、プレー
メーカーとしては優秀ですが、攻撃的なプレーがないのが・・・。
今後のアジア予選にとって、大きな勝ち点3だと思います。しかし、まだホームで結果を残しただけで
問題となるアウェイでの戦い方が残っています。まだ、安心はできません。それにバーレンの敗戦の
悔しさがぬぐえたわけじゃありません。素晴らしい戦いだったのは、まちがいはないのですがそれでも
小さなミスを繰り返していたこと、相手が格下だったことを考慮しなければいけないです。
6/7、アウェイでのオマーン戦が楽しみです。
[関連記事]
J1リーグ ジュビロ磐田 VS FC東京 観戦記
幕前に今年のアルビレックス新潟を考える
第87回天皇杯決勝 サンフレッチェ広島VS鹿島アントラーズ 観戦記
アルビレックス新潟の応援歌が抗議される?
アルビレックス新潟の4日間戦争について
ACL決勝 浦和に捧げるお祝いの言葉
続・ロッソ熊本の昇格に伴うスポンサー問題
ロッソ熊本の昇格に伴うスポンサー問題
ACL準決勝の結果から思ふこと 完結編
J1リーグ 第29節 川崎FVSアルビレックス新潟 観戦記
ACL準決勝の結果から思ふこと
ACL準々決勝の結果から思ふこと
NHK英断!柏日立台でのG大阪戦を生中継決定!!
「川崎フロンターレスタメン入れ替え事件」
PR