キリンチャレンジカップ 日本VSトーゴ 速報評

2009年10月14日(水)　宮城　　　　　　　日本　5-0　トーゴ


まぁ、トーゴというか日本協会がマッチメイクする相手に何を期待しろと？
台湾取材中に香港戦・スコットランド戦を観戦することが出来なかったんですが、一応ホテルで
テキスト速報を見ていたんですが、まぁ、なんにしても日本マッチメイク能力の低さを痛感せざる
えませんね。今日のトーゴなんて、ほとんど立ってるだけじゃないですか！まぁ、言い過ぎな部分
はありますが、ここまで運動量・対応の早さ・やる気、どれも相手にするレベルではなかった、
と思います。
もともと、アデバヨールというスター選手がいて、ドイツW杯に出場した国とはいえ、ぶっちゃけて
いうとアフリカの国の中でもそれほど強いチームじゃない。まぁ、それでもアフリカンな選手の
なにをやるかわからない、っていうことは忘れてはいけないでしょうけど。

まぁ、結果的には少し、予想外の5-0。
相手が相手とはいえ、一時前のロシアのように華麗なパスワークで自慰をして、ボール支配率
と華麗な繫ぎで満足する試合を展開して、よくて2-0、悪くて1-0とか思っていたんですが・・・。

この試合のコンセプトは、攻撃。しかも、サイド攻撃に重点が置かれていて、キーワードは「早い段階
でのクロスボール」だったみたいですが、日本らしいといえば日本らしいのですが後半に入り、トーゴ
のゴールキーパーがクロスに対して、あからさまな高い位置を取っているのに対し、工夫も虚を突く
こともなく真正直にクロスを入れていたのは・・・・。

しかし、この試合。評価すべき点が大いにある、と思います。
動きがないトーゴに対して、5点を取ったというのは当たり前のように思えるかもしれませんが、止って
いるとはいえ足の長いトーゴ選手の網を抜け出し、ゴールを奪うのは逆にバイタルエリアに相手選手が
いる状態を考えれば、十分に評価できる。
なにより、ふたりのFWの活躍は、近年の日本代表にない得点への期待する想いを強くさせるに十分の
活躍だったと思います。
どんなに世界的に認められた中村俊輔でも、得点を奪うというサッカー本来の楽しさが凝縮された行為を
作り出すことは難しい。やはり、代表人気の低迷が叫ばれる昨今、得点の匂いのする選手がいるという
だけで、大きな変化が期待できると思います。
それにしても岡崎のハットトリックはすごい。
私の記憶が正しければ、香港戦より前のハットトリックというと、過去最強の日本代表と呼ばれていた
トルシエジャパンがアジアカップを制覇した時、高原か西澤が最後だったと思うんですが・・・。
日本代表がハットトリックを達成するのに9年の歳月が必要だったとは・・・。それでも、岡崎にはこれまで
何度もハットトリックを決めるチャンスが多かった。岡崎を語る上で外せないキーワードが献身的・
ハードワーク・ダイビングヘッドだと、思うのですが、私的にはそのキーワードを聞くと鈴木師匠（隆行）を
どうしても思い出してしまうのですが、岡崎がすごいのは重要な試合で点を獲ることができるだけでなく、
1試合で2点以上奪う試合が多いこと。清水エスパルスでは、1試合で2点獲る事は少ないのに代表
では複数得点が多い。まさに代表のために生まれたようなストライカー。

また、森本についても言及しなきゃいけないでしょう。
マジメに相手がトーゴとはいえ、いやトーゴだからこそあのゴールは、ヤヴァイ！あんな強引かつ
フィジカルとテクニック、そしてゴールへのイマジネーションが集約されたゴールは、本当に久しぶり。
久保以来といっていいと思う。
普通のFWなら、”敵の足がにゅっと出てきた”、”相手のパワーがすごかった”とか初見の相手に対し
得点シーンを防がれるシーンが多かったのに対し、セリエAというバケモノDF揃いのリーグで常に
相対している森本にとって、普通のプレイだった。ほんとうにこのゴールは、一見派手さはないが
かなりフォワードとしてのテクニックが凝縮されているゴールだと思います。

しかし、全体的には課題にあげていたサイドからの早いクロスには一定の評価をあたえられるも
のの、フィジカルが整っていたトーゴ相手にしたら通じていたかは不安。
また、相手の気が緩んでる際に3点を奪ったことは評価できるものの、時間を追うにつれて自らも
気が緩み出すという、相手に合わせたサッカーをする悪癖は直っておらず。
本田に関しては、相変わらずよいところ悪いところが出たが、ソレを含めてチームで吸収すること
希望が見えていたように思うが、シュート狙うのもいいし、チャレンジ精神は大いに買うが中途半端
な位置でドリブルを仕掛けて、奪われる悪癖は直して欲しい。
チームとしても、戦術の浸透率が高くなっているの成果として、選手が変ってもやろうとしているプレイ
と各々がチャレンジする下地が出来ていたのは、評価が高いと思う。


総じて、攻撃面での収穫はあるものの、あくまで今までのチーム力を表現する場であって、チーム力
を向上させるような試合ではなかったように思う。
ワールドカップ出場国が決まり出している昨今、対戦相手を決めやすい時期に入ってきている以上、
ちゃんとした相手をマッチメイクしてもらうことが、まずは目先の目標だと思う。


［関連記事］
親善試合　ガーナVS日本　速報評
親善試合　オランダVS日本　速報評
J1リーグ　横浜Fマリノス　VS　アルビレックス新潟　観戦記
アジア最終予選　オーストラリアVS日本　愚痴
我らが日本代表！世界の舞台に向けて、再出航！
キリンカップ　日本VSベルギー　速報評
キリンカップ　日本VSチリ　速報評